扁桃腺は、のどにあるリンパ組織で、体の免疫機能を担っています。
こどもの場合は扁桃腺が大きいことも多く、口や喉も小さいために、よく目立ちます。正常でも大きいことが多いのですが、感染による扁桃炎や免疫が刺激される場合、できものなどが原因で大きくなることもあります。
扁桃腺が大きい場合、問題になる点の一つが、息の通り道を狭くしてしまうことです。特に睡眠時に、口を開けたまま寝ることが多くなり、いびきや睡眠時無呼吸症候群を発症することがあります。また、その他の症状として、飲み込みづらさがあり、感染などで炎症がある場合には、痛みや発熱を伴います。
また、免疫によるものでは、関節の痛みや腎臓への負担、手足などの皮疹ができることもあります。そのため、
- どのくらい大きいのか
- 大きいことで、どの程度呼吸を抑えているのか
- 他の所見として何があるのか
について評価し、原因に応じた適切な治療を行う必要があります。
感染症の場合は、抗菌薬や炎症を抑える薬を使用することがあります。免疫の異常(IgA 腎症、掌蹠膿疱症など)によるものであれば、全身の検査を行った上で、扁桃を手術するかどうか検討します。
いびきや睡眠時無呼吸の場合は、症状が軽度であれば様子をみることが多いですが、程度によって、手術による切除や摘出が行われることもあります。
症状がある場合は早めに医師の診断を受け、適切な治療を受けることが大切です。
POINT
- 扁桃腺は、のどにある免疫の組織で、こどもでは大きいことが多く、免疫が刺激されると腫れることもある
- 扁桃腺が大きくなると、息の通り道を狭くし、いびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことがあるため、治療が必要かどうかを検査する必要がある
- 治療方法は原因に応じたもので、手術による切除も必要な場合がある