top of page
研究のご紹介

患者さま・一般の方向けに

​​最新の論文や取り組んでいる研究について解説をします。

本サイトは、特定の症例に関する情報の提示や

製品・サービスに関する広告を行うためのものではありません

検索結果

56 items found for ""

  • 疾患編:閉塞性睡眠時無呼吸症候群

    【概要】 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)とは、夜間の睡眠中に呼吸が抑えられたり、止まってしまう状態が繰り返される病態です。 主に中年の男性や肥満の方に多いですが、こどもでも多く見られます。 【原因について】 睡眠時無呼吸症候群は息の通り道がせまくなってしまう閉塞型、脳による調整がうまくいかない中枢型、それらの両者がある混合型に分けられます。 こどもの場合、閉塞型が最も多く、アデノイド肥大や扁桃肥大が原因となります。また、顔の形や顎が小さいことでも、原因となります。 これにより、上気道が狭窄し、空気の流れが妨げられてしまいます。このように気道が閉塞してしまい無呼吸になる状態、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)とついて今回は説明をしていきます。 【病態について】 OSAは、上気道の狭窄によって、呼吸中枢からの指令にもかかわらず、呼吸が停止する状態が繰り返されることで発生します。 これにより、血中の酸素濃度が低下し、二酸化炭素濃度が上昇します。そのため、脳や心臓、血管系、内分泌系などに負担がかかり、様々な影響を与えます。 【必要な検査とその所見について】 睡眠時無呼吸症候群の診断には、睡眠時ポリソムノグラフィー(PSG)が必要となります。脳波・筋電図・眼電図・心電図・呼吸流量・呼吸筋電図・酸素飽和度などを測定し、睡眠中の状態を詳しく調べる検査です。PSGによって、呼吸停止の回数や時間、酸素飽和度の低下などが評価されます。 小児の場合は外来で、簡易的なPSGや終日spO2モニタリグによって検査を行い、その程度を把握することもあります。 【治療方法について】 睡眠時無呼吸症候群の治療法には、以下のような方法があります。 CPAP療法: CPAPと呼ばれる装置を使用して、一定の圧力で空気を送り込むことで、気道を開いた状態を維持することができます。気道を開きながら正常な呼吸を行わせることで、無呼吸の状態を防ぐことができますが、こどもの場合うまく装着できなかったりすることもあります。 口腔内装具: 歯科医師によって作られたマウスピースを使用して、下顎を前方に保持することで気道を開きます。これは口や顔の形が原因となる場合に有効となります。 外科的治療: 扁桃腺やアデノイドが原因となる場合には、それらを切除や摘出すること が有効です。 「治療編:扁桃切除術、アデノイド切除術」 【治療を考える際の注意点】 睡眠時無呼吸症候群は、程度にもよりますが、脳や心臓など体への負担もあるため、早期の診断と治療が重要となります。 また、手術を行う場合にはその利点とリスクについて理解をした上で決定する必要があります。アデノイド増殖症の場合、年齢によっては手術後に再度増大する可能性もあります。 【生活への影響と注意点】 睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の質や量を低下させるため、日中の眠気や集中力の低下、仕事や学業の成績の悪化、運転時の事故リスクの増加など、生活に深刻な影響を与えることがあります。また、無呼吸が繰り返されることにより、血中酸素濃度の低下や血圧の上昇が起こり、心血管系の疾患を引き起こす可能性もあります。 Point ・睡眠時無呼吸症候群は寝ている時に息が止まる疾患で、原因により閉塞型、中枢型、混合型に分けられる ・小児では、閉塞型が多く、アデノイドや扁桃肥大、顔や口の形によって、息の通り道が狭くなることが原因となる ・無呼吸の程度によっては、体への負担も大きくなるため、早期の検査や原因に合わせた治療が必要になる

  • 疾患編:アデノイド増殖症・アデノイド肥大

    アデノイド増殖症は、鼻の奥にあるアデノイドという組織が腫れ上がることで起こります。これによって、鼻やのどに通じる空間が狭くなり、呼吸や睡眠に支障をきたすことがあります。 小児に多く、2歳頃から小学校低学年くらいまでの子どもに多い疾患です。通常、成長に伴って症状が改善することが多いですが、症状が長期化してしまう場合もあります。 【原因について】 アデノイド増殖症の原因は明確にはわかっていませんが、一般的には、呼吸器や口腔内の感染症やアレルギーが原因と考えられています。このような炎症が続くことによって、免疫の組織であるアデノイドが腫れることがあるとされています。 【病態について】 アデノイド増殖症による主な症状として、気道がせまくなることで起こるものが多く、具体的には、鼻詰まりや口呼吸、いびき、睡眠時無呼吸があります。 また、耳と鼻の奥をつなぐ耳管を塞いでしまうことによって、中耳炎やそれによる聴力の低下を引き起こす原因にもなります。 【必要な検査とその所見について】 アデノイド増殖症の診断には、主に以下の検査が行われます。 ・喉頭鏡 ・鼻咽頭ファイバー ・レントゲン、CTなどの画像検査 また、中耳炎の有無については聴力に関連した検査を、睡眠時無呼吸に関連した検査として、簡易ポリソムノグラフィや終夜sPO2モニタリングを行うこともあります。 【鑑別疾患について】 アデノイド増殖症の症状は、鼻や喉の病気やアレルギー、気道の異常などによっても引き起こされることがあります。そのため、診断の際には、これらの疾患との鑑別が必要となります。 例えば、上気道感染症、気管支喘息、中耳炎、扁桃炎、アレルギー性鼻炎、上咽頭腫瘍などが挙げられます。 【治療方法について】 アデノイド増殖症の治療方法としては、症状が軽度である場合は保存的に経過をみることが多いです。 サイズが大きく、睡眠時無呼吸やひどい鼻閉、滲出性中耳炎の原因となる場合には、アデノイドを切除するアデノイド切除術の適応となります。 「治療編:アデノイド切除術」 【治療を考える際の注意点】 アデノイド増殖症による症状によって、生活に影響が出る場合があります。例えば、以下のような点に注意する必要があります。 ・呼吸のしにくさや口呼吸が続く場合は、睡眠時の酸素不足につながるため、睡眠時無呼吸症候群などの合併症を引き起こす可能性があります。 それによって、日中の集中力低下や眠気、体の成長を妨げる原因にもなります。 ・口呼吸によって、口の中が乾燥し、口臭や歯周病、虫歯のリスクが高まる場合があります。 ・アデノイド炎症によって、中耳炎がある場合は聴力の低下により、言葉の獲得や会話の制限につながる場合があります。 以上のような点から、高度のアデノイド増殖症の治療は早期に行うことが望ましいです。また、治療後も、適切なケアを行い、定期的に医師の診察を受けることが必要です。 Point ・アデノイド増殖症(肥大)は鼻のつきあたりにあるアデノイドが大きい状態 ・気道を狭くすることで、いびきや睡眠時無呼吸、中耳炎の原因となる ・症状の程度がひどい場合には手術加療の適応となる

  • 疾患編:扁桃肥大

    扁桃肥大とは、扁桃腺が正常な範囲を超えて腫れ上がっている状態を指します。扁桃腺は、のどの奥にある免疫器官であり、とくに乳児期において細菌やウイルスなどの病原体を取り込んで排除する役割を持っています。扁桃腺が炎症を起こす場合は扁桃炎と呼ばれますが、扁桃肥大は扁桃炎とは異なり、サイズが大きい状態を表しています。 扁桃肥大では主に、口蓋扁桃という扁桃腺を指すことが多いです。 こどもでは、正常でも大きいことが多いのですが、息の通り道を塞いでしまうほど大きいことにより、症状が出てしまいます。 扁桃肥大の主な症状としては、以下のものが挙げられます。 ・のどの違和感 ・飲み込みづらさ ・いびきや口呼吸 ・睡眠時無呼吸 【検査】 大きいかどうかの診断では、診察時に観察することで判定ができます。 また、扁桃炎や扁桃腫瘍との鑑別には扁桃腺の腫れや炎症、色や形などを確認します。必要に応じて、血液検査や細菌検査、アレルギー検査なども行われることがあります。 いびきや睡眠時無呼吸があるかどうかについては、寝ている時の動画や生理機能検査として終夜spO2モニタリングや簡易ポリソムノグラフィが用いられます。 【治療】 扁桃肥大では治療が必要かどうかを判断した上で、治療を行います。炎症により大きい場合では扁桃炎に対して加療を行い、扁桃のサイズがどうなるかについて観察します。 いびきや睡眠時無呼吸の程度がひどい場合には手術加療の適応となります。 「治療編:口蓋扁桃摘出術」 「治療編:口蓋扁桃切除術、アデノイド切除術」 Point ・扁桃肥大は、扁桃腺の中でも、主に口蓋扁桃が大きい状態を指す ・サイズが大きすぎることで息の通り道を塞いでしまうことが問題となる ・睡眠時無呼吸の原因となり、その程度に応じて手術加療の適応となる

  • 疾患編:「急性扁桃炎」

    急性扁桃炎は、扁桃の炎症によって引き起こされる喉の病気で、 症状としては炎症によって扁桃が腫れたり、発熱やのどの痛み、食欲不振、頭痛、体のだるさなどの症状が現れます。また、扁桃が腫れると、のどの奥が狭くなり、息苦しさを感じることもあります。 欧米の報告では主にウイルスによることが多く、細菌感染によっても引き起こされます。 ウイルス感染では、主にアデノウイルスやエンテロウイルスが関与します。 細菌感染では、主にA群β溶連菌が関与することが多いとされています。 扁桃炎は軽症であれば、安静や休養などによって自然に回復することもありますが、こどもでは、発熱や食事摂取不良よる影響を受けやすいことに注意する必要があります。ウイルス感染の場合は、症状を緩和するための対症療法が主体となります。一方、細菌感染の場合は、抗菌薬を用いて治療を行います。 【必要な検査とその所見について】 急性扁桃炎は診察で診断することが多く、主な症状や所見から判断します。 扁桃が赤く腫れていたり、膿がついていたりすることが特徴です。また、細菌感染が疑われる場合は、扁桃から細菌の培養検査が行われることがあります。 感染や炎症の程度を把握するために、血液検査をすることもあります。 急性扁桃炎では、さらに重症な疾患として扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎、咽後膿瘍を考慮する必要があります。 厚生労働省の「微生物薬適正使用の手引き」では、より重症の可能性がある基準としてRed flagを設けています。 これは例えば、”人生最悪の痛み”や”唾も飲み込めない状態”であったり、開口障害や嗄声、呼吸困難がある例ではこれらの疾患を考慮する指標となります。 また、日本の重症度分類としては、日本口腔咽頭学会が重症度スコアとそれに基づいた重症度分類を提唱しています。これは、 ・不機嫌や活動性 ・食事摂取量 ・発熱の程度 ・咽頭・扁桃の所見(発赤や膿栓) から、重症度を判断し、治療の方針を決めていくというものです。 【治療方法について】 急性扁桃炎では、重症度に応じて治療方針が決定されます。軽症であればまずは、みや発熱などの症状を和らげるために、炎症を抑える薬によって加療が行われますが、改善がない場合や中等症では抗菌薬が使用されます。 抗菌薬の種類については意見が分かれるところではありますが、主にβラクタム系の抗菌薬である、ペニシリン系やセフェム系の抗菌薬が使用されます。 改善がない場合や重症例ではその他の抗菌薬の選択されます。 食事摂取が難しい場合や消耗が激しい例では、入院の上で点滴による加療が行われる場合があります。 【治療を考える際の注意点】 急性扁桃炎では、さらに重症な疾患の合併や抗菌薬の乱用による耐性菌について考慮する必要があります。 ・重症な疾患の合併 急性扁桃炎から、感染がひどくなることにより、扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎、咽後膿がおこることがあります。 この場合、抗菌薬の使用のみでは改善しないことも多く、切開による排膿が必要となります。こどもでは、全身麻酔による手術加療が必要になります。 また、息の通り道が狭くなってしまうため、呼吸状態が不安定になる可能性があります。この場合、気管挿管や気管切開による気道確保を行った上で、呼吸管理が必要になります。 ・抗菌薬の乱用による耐性菌 細菌感染に対して抗菌薬を適正に使うことは問題ないのですが、過度に服用したり、途中で休薬したあとに、感染が再度増悪する例などでは、薬剤に対する耐性菌が生じる可能性があります。 これにより、従来効果のあった薬剤が効かない細菌によって、感染が引き起こされるため、治療の選択肢が少なくなってしまいます。 できる範囲で、早期に治療を行うことや、原因となる細菌に対して効果のある治療を、必要な期間行い、しっかりと治すことが必要とされます。 Point ・急性扁桃炎はウイルスや細菌によって、扁桃腺に炎症が起きる疾患 ・発熱や食事量、扁桃の所見などから、治療方針を決めている ・重症例では膿をつくってしまったり、のどのさらに奥が腫れてしまうことがあり、抗菌薬の治療に加えて、気道の確保や外科手術が必要となる場合がある

  • 疾患編:気道熱傷

    気道熱傷は、呼吸器官が高温の気体や煙、化学物質によって損傷を受けることによって発生します。 小児では、誤って熱い飲み物や食べ物を飲み込んだり、火災によって、熱い空気を吸うことなどが原因となります。気道熱傷は、呼吸困難、呼吸器官の損傷、肺炎などの合併症を引き起こす可能性があり、重篤な状態に至ることがあります。 病態について: 気道熱傷は、呼吸器官が高温の気体や煙、化学物質によって損傷を受けることによって発生します。さらに奥まで行くと、気管や気管支、肺胞にまで及ぶ場合があり、呼吸困難、呼吸器官の損傷、肺炎などのより高度な合併症を引き起こす可能性があります。 必要な検査とその所見について: まずは気道が保たれている状態か、どこに熱傷があり、今後ひどくならないかについて見ていくことが重要になります。 そのため、気道熱傷の診断は、症状や病歴、火傷の程度、高温の原因物質、呼吸器官の影響などを総合的に判断することによって行われます。 必要に応じて、内視鏡検査やレントゲンなどの画像検査、血液検査などが実施されます。 治療方法について: 治療方法としては酸素療法、ステロイドや抗菌薬の投与などが行われます。 何より、息の通り道を保つことが重要となり、重度の場合は、気管挿管や気管切開を行い、集中治療室に入院した上で、人工呼吸器による呼吸器支援が必要になる場合があります。 治療を考える際の注意点としては、早期に治療を開始することが重要であり、専門医による治療が必要な場合もあるため、迅速な診断を受けることが大切です。 また、熱傷を受けてすぐの所見では問題がなくても、時間が経ってから徐々に気道が腫れてくる場合もあります。そのため、時間をおいて経過を見ていく必要があります。 Point ・気道熱傷は、息の通り道が高温の物質によって損傷を受けて発生する ・小児では、誤って熱いものを飲んだり、火災で熱い空気を吸うことでおこる ・経過観察や投薬を行い、ひどい場合には気道確保をした上での呼吸管理が必要となる ・受傷してすぐには所見がわずかであっても、時間をおいてひどくなる場合があり、時間をおいての観察することが重要となる 文章、監修::野田昌生 イラスト:野田昌生

  • 疾患編:慢性副鼻腔炎

    慢性副鼻腔炎は、副鼻腔の粘膜が2-3ヶ月以上にわたって慢性的に炎症を起こす状態を指します。副鼻腔は、鼻の周囲にある空気が通る小さな空間です。 副鼻腔粘膜の慢性的な炎症によって、粘膜上皮細胞の増殖や腫脹、線維芽細胞の増殖などが起こります。 これによって、鼻腔や副鼻腔内に粘膜や粘液がたまり、以下のような症状をみとめます。 ・鼻詰まり ・ねばねばとした鼻水(黄色っぽい膿性の場合も) ・顔の痛みや圧迫感、頭痛 ・味や嗅覚の低下 こどもでは、細菌、真菌、ウイルスなどの感染、アレルギー、鼻ポリープ、腫瘍、鼻中隔弯曲症、上顎歯根部感染など、複数の要因が関与することがあります。 アレルギー性鼻炎や上気道感染症などが原因となることが多いとされています。 また、空気の汚染、ストレス、免疫不全状態などもリスク因子として知られています。 【必要な検査とその所見について】 慢性副鼻腔炎の診断には、病歴や診察の他に、血液検査、副鼻腔CT検査やMRI検査などが用いられます。 副鼻腔CT検査では、副鼻腔の形態や粘膜の厚み、分泌物のたまり具合などが評価されます。MRI検査では、真菌や腫瘍の鑑別に有用な場合があります。 また、副鼻腔内から分泌物を採取して、病原菌の検査を行うこともあります。 【鑑別疾患について】 慢性副鼻腔炎と似た症状を引き起こす疾患として、アレルギー性鼻炎、上気道感染症、薬剤性鼻炎、自己免疫性疾患、悪性腫瘍など様々な疾患が挙げられます。 【治療方法について】 慢性副鼻腔炎の治療は、原因に応じた治療が行われます。 抗生物質や去痰薬などの内服薬や、鼻腔洗浄・吸引を行い、改善が見込めない場合に手術加療を行います。 鼻腔洗浄は、塩水や生理食塩水で鼻腔内を洗浄することにより、鼻腔内の分泌物やアレルゲンを除去し、炎症を抑えることができます。 Point ・慢性副鼻腔炎では、副鼻腔の粘膜が2-3ヶ月以上慢性的に炎症を起こす ・症状としては、鼻閉や鼻漏、頭痛などが長期的にみとめられる ・画像検査が診断に有用で、保存的な治療で改善がない場合には手術も適応となる 文章、監修:上野貴雄、野田昌生 イラスト:野田昌生

  • 疾患編:急性副鼻腔炎

    急性副鼻腔炎とは、鼻の奥にある副鼻腔が細菌感染などによって急性の炎症を起こした状態のことを指します。 一般的に風邪などの上気道疾患の後に発症しやすく、顔面の痛みや膿性の鼻汁、発熱などの症状が現れます。 【原因について】 急性副鼻腔炎の原因としては、細菌感染が最も一般的です。 主な細菌としては、インフルエンザ菌、肺炎球菌、モラクセラ菌、ブドウ球菌、溶連菌などが挙げられます。 【必要な検査とその所見について】 副鼻腔の粘膜において急性の炎症が起きることにより、鼻詰まり、鼻水、顔の痛みや圧迫感、頭痛、発熱が生じます。 症状が重度であるか、または改善しない場合、次のような追加検査が必要となることがあります: 鼻内視鏡検査: 鼻孔を通じて薄い、柔らかい管(鼻内視鏡)を挿入し、鼻の内部と副鼻腔を観察します。 画像検査: 副鼻腔X線検査やCTスキャンが使用されます。CTでは鼻と副鼻腔状態を詳細に確認できます。 細菌培養検査: 原因となっている細菌を特定するために行います。 【鑑別疾患について】 急性副鼻腔炎は、症状が重い場合は細菌感染が原因であることが多いため、他の細菌感染症やウイルス感染症と鑑別する必要があります。また、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症など、鼻の病気との鑑別も必要です。 【治療方法について】 急性副鼻腔炎の治療には、症状に応じて様々な方法があります。 まず抗菌薬や炎症に対する処方を行う場合が多いですが、改善がない場合には薬剤を変更したり、点滴による加療を行う場合があります。 また、急性副鼻腔炎後に慢性副鼻腔炎に移行する場合があり、ダラダラとした鼻漏や頭重感が続く場合には、そちらの治療を行います。 【治療を考える際の注意点】 抗菌薬は感染を治療するために用いられますが、長期間使用すると薬剤耐性といって細菌が薬剤に対して耐性を持つ可能性があります。 また、抗菌薬は必ずしもすべての患者に有効とは限らず、副作用もあります。薬剤の効果を最大限に引き出すためには、医師の指示通りに薬をきちんと服用することが重要です。症状が改善したからといって途中で止めると、完全に治らず再発する可能性があります。 【生活への影響と注意点】 急性副鼻腔炎は、治療を受ければ多くの場合、完治しますが、治療には時間がかかる場合があります。治療期間中は、症状が軽い場合でも、体を休め、十分な睡眠をとることが重要です。 Point ・急性副鼻腔炎は鼻の奥にある副鼻腔が細菌感染などによって急性の炎症をおこす状態 ・感冒や上気道炎の後などに発症し、顔の痛みや膿性の鼻漏、発熱などの症状をおこす ・細菌に対する治療を行うが、薬剤耐性の問題もあり、細菌検査も考慮しながら、きちんと治療することが求められる 文章、監修:上野貴雄・野田昌生 イラスト:野田昌生

  • 疾患編:「鼻腔異物」 

    「鼻腔異物」は、鼻の中に物を詰めることで起こる状態で、これが原因で呼吸困難や感染を引き起こす可能性があります。特に小児で多いですが、小児だけでなく、高齢者や認知症患者などでも受診することがあります。 原因 鼻腔異物は通常、子供が好奇心から鼻の中に小さな物を挿入することによって発生します。「なぜ鼻に詰めてしまうか」という点については、いまだ謎であります。 大人では、事故や労働環境により粉塵や小さな物体が鼻に入り込むことがあります。 病態 異物が鼻腔に詰まると、肺への空気の流れが妨げられ、鼻閉や呼吸困難を引き起こすことがあります。 また、鼻腔の異物は感染を引き起こす可能性があり、これは鼻水、出血、または異臭を伴うことがあります。 必要な検査と所見 鼻腔異物を疑った場合は、まずは診察が必要です。 診察で異物が確認できれば、把握し、異物を取り除きます。異物の位置や種類によっては、鼻内視鏡検査、X線やCTスキャンなどの検査を行うこともあります。 鑑別疾患 鼻腔異物の鑑別診断には、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻腔内腫瘍などの疾患が含まれます。これらの疾患も鼻閉や鼻水などの類似の症状を引き起こすことがあります。 また、鼻の正常構造を「異物かな?」と疑われ受診されることもあります。問題がなければ安心できますので、疑った場合には受診していただくことをお勧めします。 治療方法 異物は鼻の構造を理解している耳鼻咽喉科医によって処置されることが理想です。 これは、処置に慣れていることや、異物が深く、自分で取り出す試みが異物をさらに深く押し込む恐れがあるからです。 こどもは動かずに処置できないこともあるので、場合によっては全身麻酔を必要とすることがあります。 治療を考える際の注意点 治療を考える際には、異物の種類と位置、患者の年齢と一般的な健康状態を考慮する必要があります。異物を取り出す試みが異物をさらに深く押し込む恐れがある場合や、鼻腔の損傷や感染を引き起こす可能性がある場合は、特に注意が必要です。 ボタン電池や酸性のものなど、刺激の強いものが入った場合は、すぐに受診しましょう。 生活への影響と注意点: 鼻腔異物は、放置しておくと、鼻出血、鼻汁、鼻閉、咳、吐き気、嘔吐、喉の痛み、発熱などの症状を引き起こすことがあります。また、異物が気管や肺に入ることもあり、重大な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、鼻腔異物を発見したら、早急に医療機関を受診することが重要です。とくにボタン電池による鼻腔異物は組織傷害性が強く、24時間以内に半数で鼻中隔穿孔を生じるとされている。早期に取り除く必要があります。 「入れないでね」と言っても詰めてしまうことがあります。 家庭では、小児が小さな部品や食べ物を誤飲することを防止するため、小児が手の届く場所に危険なものを置かないように注意しましょう。 また、食事中に遊びをしているときや、慌ただしいときに、口に入れるものを間違えることがあるので、食事中は静かに食べるように促しましょう。 Point ・鼻腔異物は鼻にものを詰めてしまうことで、鼻閉や感染をひきおこす ・異物を疑った場合には、耳鼻咽喉科への受診を推奨する ・場合によっては全身麻酔が必要なこともあり、特に電池類は早急な受診が必要 ・生活の中では、できる範囲で小さな部品や玩具を置かないようにする 文章、監修:上野貴雄・野田昌生 イラスト:野田昌生

  • 疾患編:「鼻出血」

    鼻出血症は、鼻から出血するいわゆる“はなぢ”のことで、全年齢層で見られます。大部分は自然に止まるか、簡単な自己処置で制御できますが、稀に重篤な状況になることもあります。 【原因】 鼻出血の原因は多岐にわたりますが、以下に主なものを示します: ・鼻腔内の乾燥や損傷(例: 鼻をかむ、鼻を強く吹く、鼻に物を入れるなど) ・アレルギーや感染症(例: 風邪や鼻炎) ・アスピリンや抗凝固薬などの血液凝固に影響を及ぼす薬剤の使用 ・高血圧や血液の凝固異常(血液疾患) ・外傷や手術後 ・稀に、鼻や副鼻腔の腫瘍、血管の奇形 こどもでは鼻をさわってしまうことが多く、鼻の内部を傷つけたり、鼻の周りの血管を破壊することがあるため、鼻出血が起こりやすい傾向があります。 【病態】 鼻出血は、主に鼻粘膜の血管が破壊されることによって起こります。鼻粘膜は非常に薄く、脆いため、傷つけやすく、血管が破壊されると鼻出血が起こります。 一般的に、前鼻腔からの出血が多いため、血液は鼻から流れ出しますが、時には喉まで流れることがあります。 鼻出血は主に鼻腔前部(前鼻出血)と鼻腔後部(後鼻出血)の二つに分けられます。前鼻出血はより一般的で、通常自己処置で止血可能です。一方、後鼻出血は比較的稀で、より重篤な状況を引き起こすことがあり、医療的介入が必要な場合があります。 これは、大きな血管が後の方に多いことや処置の際に確認が難しいことなどが原因となります。 【必要な検査と所見】 患者の鼻腔を直接観察することで、出血部位やその原因を特定することができます。 ただし、慢性的な鼻出血や頻発性の鼻出血の場合は、検査が必要となる場合があります。 鼻内視鏡検査、血液検査や画像検査(CT、MRIなど)を行い、出血の原因について精査をします。 【鑑別疾患】 慢性鼻炎、鼻腔腫瘍、副鼻腔炎、鼻中隔偏位などの鼻の疾患、または血液の凝固異常を引き起こす全身疾患(血友病、肝疾患など)が鑑別診断として考えられます。 【治療方法について】 鼻出血の治療方法は、原因によって異なります。 自然に止まる場合には、様子をみていただき、鼻を強くかまないことや、さわらないことで予防ができます。 また、出血時には前傾姿勢を保ちながら鼻を軽く押さえることで自己管理できます。 血液を飲み込まないことが重要です。 重度の鼻出血の場合は、鼻腔内にガーゼを詰めたり、焼灼することで出血を止めることがあります。また、血液凝固異常が原因の場合は、凝固因子の補充や抗凝固薬の使用が必要です。腫瘍や血管奇形が原因の場合は、手術が必要となる場合があります。 稀ではありますが、こういった処置を全身麻酔で行うこともあります。 治療を考える際の注意点: 治療を考える際には、原因を特定することが非常に重要です。 慢性的な鼻出血や頻発性の鼻出血の場合は、耳鼻科専門医のもとで詳細な検査を受けることをお勧めします。また、処方薬を使用する場合は、必ず医師の指示に従って服用してください。凝固異常が疑われる場合は、自己判断で抗凝固薬を使用しないでください。 Point ・鼻出血症は、鼻から出血するいわゆる“はなぢ”のこと ・原因は様々で、大部分は自然に止まるか、簡単な処置で制御できる ・稀に重篤な状況になることもあり、繰り返す場合には詳細な検査を推奨する 文章、監修:上野貴雄・野田昌生 イラスト:野田昌生

  • 疾患編:「若年性血管線維腫」

    【概要】 若年性血管線維腫(じゃくねんせいけっかんせんいしゅ、juvenile angiofibroma )は、主に若い男の人に多く、鼻や咽頭に発生する血行の豊富な良性腫瘍です。 頻度は稀ですが、この腫瘍はしばしば大きく成長して、周囲の組織や構造に広がることがあり、出血する可能性もあるため、注意して見ていく必要のある疾患といえます。 【原因や病態について】 若年性血管線維腫の正確な原因はまだはっきりしていませんが、胎生期の組織が残ったり、血管の破綻によって発生し、遺伝的要素やホルモン(特にアンドロゲン)、環境要素が関与すると考えられています。 成長因子や増殖因子の影響によって、腫瘍は血管と繊維組織の過剰な成長から形成された結果、症状として、鼻出血や鼻閉、顔面腫脹などの症状が現れます 【必要な検査とその所見について】 若年性血管線維腫の診断は主に病歴、診察、鼻内視鏡検査、および画像診断(CTスキャンやMRIなど)に基づいて行われます。 腫瘍は表面がツルツルとした赤色の腫瘍であることが多く、繰り返す出血や片側だけの鼻閉などがあればこれを疑います。 画像検査では、腫瘍の位置、大きさ、周囲への広がりなどを評価します。 診断の確定は、組織の一部をとって、顕微鏡で観察することで行いますが、大量出血する場合があり、画像による事前の血流評価が重要です。 【鑑別疾患について】 若年性血管線維腫は、症状のみでは鼻炎や副鼻腔炎、鼻出血としてしまうことや、他の腫瘍と混同されることがあります。 例えば、血管腫、血管腫(血管奇形)、血瘤腫、上咽頭腫瘍、後鼻孔ポリープ、などとの鑑別が必要になります。 【治療方法について】 主な治療方法は外科手術で、腫瘍を可能な限り完全に除去することが目指されます。内視鏡での手術を行うことが多いですが、腫瘍が大きく、頭蓋底や他の重要な構造に広がる場合には、手術が困難になったり、顔の外側から皮膚を切って手術を行うこともあります。 血流が多いため、大きさや位置によっては、術前の血管塞栓療法で腫瘍の血供給を遮断し、手術を安全に行うことができる場合もあります。 その他の治療法としては、放射線療法が行われる場合もあります。 Point ・若年性血管線維腫は鼻や咽頭に発生する血行の豊富な良性腫瘍の一つ ・若い男性に多く、鼻出血や片側の鼻つまり、顔の腫れなどが主な症状 ・画像検査が有効で、組織をとる際には事前に血流の評価も必要となる ・増大し、周りの組織へ進展することもあるため、手術や血管の塞栓が適応となる場合がある 文章、監修:上野貴雄・野田昌生 イラスト:野田昌生

  • 疾患編:「後鼻孔閉鎖」

    後鼻孔閉鎖とは、鼻の通り道の後方(後鼻孔)が閉塞される状態を指します。 この状態になると、鼻腔からの分泌物や粘液が排出されずにたまり、炎症を引き起こすことがあります。また、息の通り道を塞ぐことで、鼻づまりや呼吸困難などを引き起こすことがあります。 後鼻孔閉鎖症では、後鼻孔が骨性または膜性に閉鎖している状態であり,両側性と一側性の場合があります。 ほとんどが先天性であり,後天性の後鼻孔閉鎖症は極めて稀です。 原因について: 先天性のものでは、胎児のころの発育過程(胎生6週ごろ)において、口腔と鼻腔を隔てる薄い組織に穴が開かない場合に起こると考えられています。 奇形頭蓋や顔面などになんらかの奇形を合併することも多いです。また、全身に他の疾患を合併することもあります。(CHARGE症候群) 後天性では、外傷や手術操作、放射線治療、梅毒や結核などの感染症に関連して生じる例があります。 病態について: 閉塞が両側性か片側性かでその症状は大きく異なり,両側性の場合は,鼻呼吸ができないため出生直後より呼吸困難と哺乳困難をきたします。 片側性の場合の主症状は、鼻腔からの分泌物や粘液が排出されずにたまる鼻汁が多く、呼吸困難や哺乳困難を起こすことは少ないため、成長するまで気付かれないことも多いです。 必要な検査とその所見について 哺乳時の呼吸困難や、細い吸引カテーテルが鼻腔から咽頭へ通過しない場合は,後鼻孔閉鎖を疑います。 後鼻孔閉鎖の診断には、鼻に空気や細い吸引カテーテルが通るかどうかをみたり、鼻内視鏡検査やCT検査などの画像検査が使用されます。鼻内視鏡検査では、鼻の奥にカメラを挿入して、鼻腔と喉頭部の様子を確認します。 鑑別疾患について、 鼻腔腫瘍、鼻腔狭窄など、新生児呼吸困難や鼻閉の他の原因と鑑別する必要があります。 ・治療方法について 主な治療法は、閉塞を取り除く手術で、内視鏡的または経口的アプローチで行われることがあります。初期治療では、赤ちゃんの気道を確保するために、口腔エアウェイや気管内チューブを挿入することがあります。 治療を考える際の注意点: 手術を行うタイミングは、赤ちゃんの健康状態や手術に耐えられるかどうか、症状の重さなど、いくつかの要因によって決まります。 手術が可能になるまでは、赤ちゃんの呼吸状態を注意深く観察することが大切です。手術後は、再閉鎖が生じないか、口腔から鼻腔への逆流がないか、滲出性中耳炎が生じないかなどの潜在的な合併症を管理するために、経過観察が必要です。 Point ・後鼻孔閉鎖は鼻の通り道の後方(後鼻孔)が閉塞される状態 ・先天性のものが多く、呼吸や哺乳がうまくいかない症状をきたす ・程度にもより手術が必要となり、呼吸状態を注意深く観察することが大切 文章、監修:上野貴雄・野田昌生 イラスト:野田昌生

  • 疾患編:「嗅覚障害」 

    嗅覚障害とは、嗅覚に異常が生じた状態を指します。 嗅覚は、香りや臭いを感じ取ることができる神経の感覚であり、人間の五感の一つです。嗅覚障害がおきると、生活において匂いに対する感覚や味の感じ方が変化するため、食事やにおうことが必要な状況で生活に支障をきたすことがあります。 【原因について】 嗅覚障害の原因は、様々なものがあります。 最も一般的な原因は、風邪やインフルエンザなどの上気道感染症です。 また、アレルギー性鼻炎や鼻ポリープ、副鼻腔炎、鼻副鼻腔腫瘍、脳腫瘍、頭部外傷、脳卒中、化学物質による中毒、薬物の副作用なども原因として考えられます。 【病態について】 診療ガイドラインでは嗅覚障害を、量的嗅覚障害と質的嗅覚障害の2つに大別しています。 量的嗅覚障害は、においの感覚が減弱した状態である嗅覚低下(hyposmia)と, 全くにおいを感じない状態である嗅覚脱失 (anosmia)に分類されます。 一方、質的嗅覚障害は、においを感じる様態に変化が生じた状態で、代表的なものに異嗅症(dysosmia)があります。 刺激性異臭症というものもあって、あるにおいを嗅いだときに、「本来のにおいと、異なるにおいを感じる」状態のことを言います。 また、自発性異嗅症は、周囲に「におい」がないにも関わらず、本人のみが自覚的に「におい」を感じる状態です。 【必要な検査とその所見について】 嗅覚障害の診断には、まず、医師による問診や臨床所見が重要となります。 また、以下の検査が行われることもあります。 基準嗅覚検査: 様々な香りを薄い濃度から嗅がせ、正しく認識できるかどうかを調べます。 鼻内視鏡検査: 鼻腔や鼻粘膜の異常を、内視鏡を使って確認します。 画像検査: 脳や嗅覚神経に異常がある場合には、MRIなどの画像検査が行われることがあります。 【治療方法について】 嗅覚障害の治療方法は、原因によって異なります。 感冒や鼻炎などの疾患による嗅覚障害では、原因となる疾患を治療することで改善することがあります。 一方、脳腫瘍や脳卒中による嗅覚障害に対しては、その疾患に対する手術や放射線治療などが行われることがあります。 いずれの場合においても、嗅覚リハビリや、漢方薬、ビタミン剤などが使用されることもあります。 【治療を考える際の注意点】 原因によって治療方法が異なるため、正しい診断をして、治療にむかうことが必要となります。また、治療によって嗅覚障害が改善されるとは限りません。 特に、脳腫瘍や脳卒中による嗅覚障害の場合には、完全に治療することができないこともあります。 嗅覚は食事の味や香りの認識、火災やガス漏れといった危険の警告、感染症の発見など、人々の生活に不可欠な感覚です。 嗅覚障害があると、これらの活動に制限が生じ、社会的・心理的影響が出る可能性があります。 例えば、嗅覚障害が原因で食欲不振や食事量の減少、栄養不良、社交的孤立、うつ病などが起こることが報告されています。 そのため、家族や周囲の人々がサポートを行い、嗅覚障害のある人々が普通の生活を送るために必要なアドバイスやケアを提供することが重要です。また、医師や専門家からの支援を受けることも重要です。 Point ・嗅覚障害とは、嗅覚に異常が生じた状態を指す ・原因は様々で、臭いが分かりづらいものや、異なる臭いを感じるなどの症状を起こす ・嗅覚は食事や火災、ガス漏れといった危険の警告など、生活に不可欠な感覚であり、社会的・心理的な負担が無いように、周囲も助けてあげることが重要 文章、監修:上野貴雄・野田昌生 イラスト:野田昌生

bottom of page