夏風邪はアデノウイルスやエンテロウイルスが原因となるウイルス感染症です。
咽頭痛や咳、熱だけが長引くことがあり、「ただの風邪」と思って放置すると、回復が遅れることもあります。
最近では新型コロナとの症状の違いが気になる方も増えています。

POINT
  • 夏風邪 症状とはウイルス感染が主因
  • 疲労感が長引くのが特徴的
  • コロナは全身痛、夏風邪は倦怠感

夏風邪とコロナは初期症状が似ていますが、特徴を知っておくことで自己判断の目安になります。

夏風邪の主な症状

夏風邪の主な症状

夏風邪は「喉の痛み」「咳」「発熱」が中心です。成人では「熱だけが続く」「咳だけが止まらない」といったケースも多く、倦怠感が強く出ることがあります。
一方、新型コロナは同じ発熱や咳に加え、全身の筋肉痛や関節痛、強い頭痛が出やすい点が特徴的です。
夏風邪は体力が奪われる疲労感が主体であり、日常生活にじわじわと影響することが多いのがポイントです。

夏風邪の原因・夏風邪になり易い方

夏風邪の原因はアデノウイルスエンテロウイルスで、乳幼児は集団生活やプールで感染しやすく、大人は冷房や生活リズムの乱れから免疫が落ちて発症しやすくなります。
花粉シーズン後の免疫変化と関連して夏風邪が増えるという報告もあります。

夏風邪の検査/診断方法

夏風邪の検査/診断方法

耳鼻科では喉の視診や咽頭ファイバーで炎症を確認し、迅速検査でアデノウイルスの有無を10〜15分程度で判定できます。
コロナやインフルエンザとの違いを確認するため、必要に応じて抗原検査やPCR検査を併用します。

夏風邪の治療方法・回復期間の目安

特効薬はなく、安静と対症療法が中心です。一般的に軽症なら 3〜5日で解熱咳は 1〜2週間で改善します。
ただし疲労感はそれ以上続くこともあり、漢方が有効な例も報告されています。
コロナでは回復後も「後遺症」として倦怠感や全身痛が残るケースがありますが、夏風邪では主に「疲労感が長引く」ことが特徴的です。

類似症状の疾患

夏風邪と似た症状

夏風邪と似た症状には、コロナ、インフルエンザ、気管支炎、マイコプラズマ肺炎などがあります。
特に「全身の痛み」がある場合はコロナ、「咳や疲労感が長引く」場合は夏風邪を疑うなどの違いがあります。

さいごに

夏風邪は軽視されがちですが、疲労感が長引くのが特徴です。コロナとの違いとして「全身の痛み」が少なく、「倦怠感が続く」点が参考になります。
猛暑が続いた秋の入り口では、反動で免疫が弱くなりやすいのでしっかり体を休ませることも心がけてください。

野田 昌生

この記事の監修

野田 昌生(のだ まさお)

  • 自治医科大学 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科 講師
  • 耳鼻科専門医 医学博士