喉が痛いとき、ドラッグストアなどで簡単に手に入るトローチを手に取る方も多いのではないでしょうか。
のど飴とは違うの?妊娠中でも使えるの?
今回はそんな疑問に耳鼻科医の視点からお答えします。

POINT
  • トローチの効果は喉の炎症や痛みの緩和に有効
  • 市販のトローチにも多くの種類があり、成分を確認して選びましょう
  • 妊娠中・授乳中の使用には注意が必要

トローチは、のどの不快感を和らげる手軽な方法ですが、正しい使い方や注意点を知っておくことが大切です。以下で詳しく解説していきます。

主な症状とトローチの役割

主な症状とトローチの役割

喉の痛み、かすれ声、違和感、軽い咳などがトローチを使用する主なきっかけです。
特にウイルス性の風邪や、喉の乾燥による炎症が原因である場合に、トローチが効果を発揮します。
また、しゃべり過ぎや大声を出したあと、声帯に負担がかかった場合のケアとしても用いられます。

トローチの効果と使用する目的

トローチには、抗炎症成分、局所麻酔成分、殺菌成分などが含まれており、喉の炎症を抑え、痛みや不快感を軽減します。
例えば、セチルピリジニウム塩化物(CPC)やアズレンスルホン酸ナトリウムなどの成分が、抗菌・抗炎症効果を持っています。トローチは喉に直接作用するため、即効性も期待できるのが特長です。

市販のトローチの種類と成分

市販のトローチには様々な種類があり、それぞれの成分によって効果や対象が異なります。
医薬品の分類としては「指定医薬部外品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」などがあり、喉の症状の程度や体調に応じて選ぶことが重要です。

また、糖分が含まれているものが多いため、糖尿病の方は成分表示を確認することが推奨されます。

トローチの使い方と間隔の目安

トローチの使い方と間隔の目安

トローチは口の中でゆっくり溶かして使うことで、成分が喉の粘膜に長時間とどまり効果を発揮します。
一般的には1回1錠、1日3〜6回までが目安です。服用間隔は最低でも2時間以上あけるようにしましょう。

また、噛んだり飲み込んだりすると効果が得られにくくなるため注意が必要です。

妊娠中・授乳中にトローチを使うときの注意点

妊娠中・授乳中でも使えるトローチはありますが、すべての製品が安全とは限りません。たとえば、セチルピリジニウム塩化物は使用に際して医師と相談することが推奨されています。
また、過剰な糖分や添加物が含まれる製品は、妊娠糖尿病のリスクを高める可能性もあります。

妊娠中・授乳中の方は、必ず薬剤師や医師に相談の上、使用するようにしてください。

類似の製剤との違い

トローチと似たものに「のど飴」「スプレータイプの喉薬」があります。
のど飴は医薬品ではなく食品として扱われることが多く、症状の改善効果は限定的です。スプレーは即効性が期待できますが、持続時間が短くなる傾向があります。

トローチはその中間に位置し、局所に長く作用させる点で優れています。

日常でのケアと注意点

日常でのケアと注意点
  • トローチの過剰使用を避ける
  • 成分を確認して自分の症状に合うものを選ぶ
  • 就寝前の使用は、むせや誤嚥を避けるため控える
  • トローチを使用しても症状が改善しない場合は医師の診察を受ける

日頃からのどを乾燥させないように水分をこまめに取り、加湿器などで湿度を保つことも予防になります。

さいごに

トローチは手軽に喉のケアができる便利な医薬品ですが、使用法や成分を正しく理解することが大切です。特に市販の製品を選ぶ際は、自分の症状や体調に合ったものを選ぶこと、妊娠中・授乳中の場合は専門家に相談することをおすすめします。
症状が長引く場合は、放置せず耳鼻咽喉科での診察を受けましょう。

野田 昌生

この記事の監修

野田 昌生(のだ まさお)

  • 自治医科大学 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科 講師
  • 耳鼻科専門医 医学博士