喉が痛いとき、ドラッグストアで手軽に買える市販のトローチを選ぶ方は多いでしょう。
一方で、「トローチとは何か」「のど飴とどう違うのか」「どのくらいの間隔で使えばよいのか」「妊娠中や授乳中でも使えるのか」と迷うこともあります。

トローチは、口の中でゆっくり溶かして、のどの不快感や痛みに成分を長く触れさせる製剤です。製品によって成分や効能は異なり、たとえばアズレン配合のもの、殺菌成分配合のもの、生薬配合のものなどがあります。龍角散のトローチ製品や、医療用の明治のトローチ製剤など、似たように見えても位置づけはそれぞれ異なります。

この記事では、トローチの効果、選び方、使い方、妊娠・授乳中の注意点をわかりやすく解説します。

POINT
  • トローチの効果は喉の炎症や痛みの緩和に役立つ
  • 市販のトローチにも多くの種類があり、成分よって期待できる果が異なるため、確認して選びましょう
  • 使用する間隔や、妊娠中授乳中に使えるかどうかは、製品ごとに確認が必要

トローチは、のどの不快感を和らげる手軽な方法ですが、正しい使い方や注意点を知っておくことが大切です。以下で詳しく解説していきます。

主な症状とトローチの役割

主な症状とトローチの役割

トローチが使われるのは、次のような症状があるときです。

  • のどの痛み
  • のどの違和感
  • 声がれ
  • 軽いせき
  • のどの乾燥感

こうした症状は、かぜ、声の使いすぎ、乾燥などで起こります。トローチは、のどの粘膜に成分を長く触れさせることで、不快感をやわらげる目的で使われます。製品によっては「のどの炎症による声がれ・のどの痛み・のどのはれ」などが効能として示されています。

また、しゃべり過ぎや大声を出したあと、声帯に負担がかかった場合のケアとしても用いられます。

トローチの効果と使用する目的

トローチの効果は、配合されている成分によって異なります。

  • 殺菌成分
  • 抗炎症成分
  • 生薬成分
  • のどの粘膜を保護する成分

たとえば、アズレン配合製品では、のどの炎症による不快感をやわらげる目的があります。浅田飴の「アズレンCPCドロップ」には、アズレンスルホン酸ナトリウムとセチルピリジニウム塩化物水和物が配合されています。

また、龍角散ダイレクトトローチは微粉末生薬を配合し、「せき、たん、のどの炎症による声がれ・のどの痛み・のどのはれ」などに効能があります。

医療用では、セチルピリジニウム塩化物トローチや、明治の「SPトローチ0.25mg」などがあり、成分や適応は一般用医薬品とは少し異なります。

市販のトローチの種類と成分

市販のトローチには様々な種類があり、それぞれの成分によって効果や対象が異なります。

タイプ主な成分例特徴
殺菌系セチルピリジニウム塩化物のどの殺菌・消毒を目的に使われる
抗炎症系アズレンスルホン酸ナトリウムのどの炎症をやわらげる目的
生薬系キキョウ末、カンゾウ末など声がれやのどの不快感向け
医療用トローチデカリニウム塩化物、CPCなど医師の判断で処方される

医薬品の分類としては「指定医薬部外品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」などがあり、成分や年齢制限、用法がそれぞれ異なるため、喉の症状の程度や体調に応じて選ぶことが重要です。また、糖分が含まれているものが多いため、糖尿病の方は成分表示を確認することが推奨されます。

トローチの使い方と間隔の目安

トローチの使い方と間隔の目安

トローチは口の中でゆっくり溶かして使うことで、成分が喉の粘膜に長時間とどまり効果を発揮します。また、噛んだり飲み込んだりすると効果が得られにくくなるため注意が必要です。

製品ごとの規定量がありますが、一般的には1回1錠、1日3〜6回までが目安です。服用間隔は最低でも2時間以上あけるようにしましょう。

妊娠中・授乳中にトローチを使うときの注意点

妊娠中・授乳中でも使えるトローチはありますが、すべての製品が安全とは限りません。使用に際して医師と相談することが推奨されています。また、過剰な糖分や添加物が含まれる製品は、大量に摂取することで妊娠糖尿病のリスクを高める可能性もあります。
妊娠中・授乳中の方は、必ず薬剤師や医師に相談の上、使用するようにしてください。

類似の製剤との違い

トローチと似たものに「のど飴」「スプレータイプの喉薬」があります。のど飴は医薬品ではなく食品として扱われることが多く、症状の改善効果は限定的です。スプレーは即効性が期待できますが、持続時間が短くなる傾向があります。
トローチはその中間に位置し、局所に長く作用させる点で優れています。

製品位置づけ特徴
トローチ医薬品・医薬部外品などのどに成分を長めに作用させやすい
のど飴食品が中心清涼感はあるが、医薬品ほどの効能は限定的
のどスプレー一般用医薬品など局所にすぐ届きやすいが、持続は短めなことがある

日常でのケアと注意点

日常でのケアと注意点
  • トローチの過剰使用を避ける
  • 成分を確認して自分の症状に合うものを選ぶ
  • 就寝前の使用は、むせや誤嚥を避けるため控える
  • トローチを使用しても症状が改善しない場合は医師の診察を受ける

トローチは便利ですが、万能ではありません。のどの炎症や痛みが続く場合、扁桃炎、喉頭炎、感染症などが隠れていることもあります。日頃からのどを乾燥させないように水分をこまめに取り、加湿器などで湿度を保つことも予防になります。

さいごに

トローチは手軽に喉のケアができる便利な医薬品ですが、使用法や成分を正しく理解することが大切です。市販でも手に入りやすく、龍角散やアズレン配合製品など種類も豊富ですが、期待できる効果や使う間隔は製品によって異なります。

また、妊娠中や授乳中は、一般用・医療用を問わず自己判断を避け、必要に応じて相談することが大切です。医療用では明治のSPトローチのように、妊娠・授乳中であることを申告すべき製品もあります。
トローチを使ってものどの痛みが改善しない、高熱がある、飲み込みづらいといった場合は、耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。

野田 昌生

この記事の監修

野田 昌生(のだ まさお)

  • 自治医科大学 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科 講師
  • 耳鼻科専門医 医学博士