急性副鼻腔炎とは、鼻の奥にある副鼻腔が細菌感染などによって急性の炎症を起こした状態のことを指します。
一般的に風邪などの上気道疾患の後に発症しやすく、顔面の痛みや膿性の鼻汁、発熱などの症状が現れます。
原因について
急性副鼻腔炎の原因としては、細菌感染が最も一般的です。
主な細菌としては、インフルエンザ菌、肺炎球菌、モラクセラ菌、ブドウ球菌、溶連菌などが挙げられます。
必要な検査とその所見について
副鼻腔の粘膜において急性の炎症が起きることにより、鼻詰まり、鼻水、顔の痛みや圧迫感、頭痛、発熱が生じます。
症状が重度であるか、または改善しない場合、次のような追加検査が必要となることがあります。
鼻内視鏡検査
鼻孔を通じて薄い、柔らかい管(鼻内視鏡)を挿入し、鼻の内部と副鼻腔を観察します。
画像検査
副鼻腔X線検査やCTスキャンが使用されます。CTでは鼻と副鼻腔状態を詳細に確認できます。
細菌培養検査
原因となっている細菌を特定するために行います。
鑑別疾患について
急性副鼻腔炎は、症状が重い場合は細菌感染が原因であることが多いため、他の細菌感染症やウイルス感染症と鑑別する必要があります。また、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症など、鼻の病気との鑑別も必要です。
治療方法について
急性副鼻腔炎の治療には、症状に応じて様々な方法があります。
まず抗菌薬や炎症に対する処方を行う場合が多いですが、改善がない場合には薬剤を変更したり、点滴による加療を行う場合があります。
また、急性副鼻腔炎後に慢性副鼻腔炎に移行する場合があり、ダラダラとした鼻漏や頭重感が続く場合には、そちらの治療を行います。
治療を考える際の注意点
抗菌薬は感染を治療するために用いられますが、長期間使用すると薬剤耐性といって細菌が薬剤に対して耐性を持つ可能性があります。
また、抗菌薬は必ずしもすべての患者に有効とは限らず、副作用もあります。薬剤の効果を最大限に引き出すためには、医師の指示通りに薬をきちんと服用することが重要です。症状が改善したからといって途中で止めると、完全に治らず再発する可能性があります。
生活への影響と注意点
急性副鼻腔炎は、治療を受ければ多くの場合、完治しますが、治療には時間がかかる場合があります。治療期間中は、症状が軽い場合でも、体を休め、十分な睡眠をとることが重要です。
- 急性副鼻腔炎は鼻の奥にある副鼻腔が細菌感染などによって急性の炎症をおこす状態
- 感冒や上気道炎の後などに発症し、顔の痛みや膿性の鼻漏、発熱などの症状をおこす
- 細菌に対する治療を行うが、薬剤耐性の問題もあり、細菌検査も考慮しながら、きちんと治療することが求められる