難聴とは音が聞こえづらかったり、聞こえなかったりすることですが、「難聴です」とひとまとめに言っても、様々なパターンが存在しています。例えば、

  • 片側なのか、両側なのか
  • 原因がどこにあるのか
  • 程度はどの程度なのか

などについてしっかりと検査をした上で、対策を考えることが必要となります。

お薬や手術が必要なのか、様子をみていくのか、補聴器が必要になるのかなどを決めていきますが、どのように対応するかについては、その施設の経験や行うことのできる治療、お子様の状態によっても大きく異なりますので、医療機関としっかりと相談していくことが大切です。

また、難聴と診断された場合、学校では以下の点に注意が必要です。

コミュニケーションのサポート

難聴の子供は、クラスでの講義やグループディスカッションなどで、先生やクラスメイトの発言を聞き取りにくい場合があります。そのため、学校は子供の聞こえに配慮し、通訳者や聞き取り支援システムなどのサポートを提供する必要があります。

教室の環境改善

子供の聞こえに悪影響を与える可能性がある要素を除去することが重要です。たとえば、教室の騒音レベルを下げるために、カーテンやマットを設置することが考えられます。

演習やテストの配慮

難聴の子供には、試験の時間制限の延長や、筆記ツールや補助機器を使用した試験の配慮が必要な場合があります。

スポーツやクラブ活動の配慮

運動や音楽の活動に参加する際、子供の聞こえに合わせて特別な配慮が必要な場合があります。たとえば、コーチや監督には、子供が指示を聞き取れるように声を大きく出すことが必要です。

学校は子供の個別のニーズに合わせたサポートを提供するため、保護者や医師と協力して、難聴の子供に最適な教育環境を整えることが重要です。

POINT
  • 難聴には種類があり、検査をして原因や程度を確認する必要がある
  • 治療方法も個人によって異なり、医療機関で相談する必要がある
  • 難聴の子供が学校に通う場合、コミュニケーションのサポートや教室の環境改善、演習や試験の配慮、スポーツやクラブ活動の配慮が必要で、学校では子供の個別のニーズに合わせたサポートを提供する必要がある
野田 昌生

この記事の監修

野田 昌生

  • 自治医科大学 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科 講師
  • 耳鼻科専門医 医学博士