長時間のドライブなどで、乗り物酔いになる場合があります。
乗り物酔いのこと医学的には動揺病といいますが、車や船などの乗り物の揺れや動きによって引き起こされるめまいや吐き気などの症状を指します。
乗り物以外でも、回転する遊具や映画館の大画面などでも発生することがあります。

動揺病の原因は内耳や眼の平衡感覚器官が乗り物などの揺れや動きに対して、対応できなかったり、過敏に反応することにあります。乗り物の揺れや動きに対応するために平衡感覚器官と脳が適切に調整できないため、めまいや吐き気、頭痛、不安感などの症状が現れます。
子供では、大人よりも平衡機能や神経の発達が未熟であるため、動揺病が発生しやすいとされています。さらに、心理的要因や空腹・食べ過ぎなどで、症状をひどくしてしまいます。

動揺病の症状を少しでも抑えるためには、以下のような対策が有効です。

  • 乗り物に乗る前に軽食をとる
  • 前の方の座席など、揺れの少ない席を選ぶ
  • 移動中は遠方を見るようにする

また、呼吸法やリラックス法などを行うことで、症状を和らげることもできます。一方では、内服薬が必要になることもありますので、症状がひどい場合には専門の医師の診察をお勧めします。

POINT
  • 動揺病は乗り物の揺れや動きによって起こるめまいや吐き気などの症状
  • 内耳や眼の平衡機能が対応できなかったり、過敏に反応することでおこる
  • 子供では大人よりも発生しやすく、事前の対策が有効である
野田 昌生

この記事の監修

野田 昌生

  • 自治医科大学 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科 講師
  • 耳鼻科専門医 医学博士