片側だけが聞こえにくい場合(一側性難聴ともいいます)、その原因は様々なものが考えられます。例えば、以下のものが原因になることがあります。

  • おたふくかぜによるムンプス難聴
  • 急性または慢性の中耳炎
  • 外傷
  • 腫瘍
  • 突発性難聴
  • 内耳の形態異常

また、両側の難聴の初期や早期の段階である可能性もあります。
片側が難聴と診断されると、生活に影響が出る可能性があります。聴力の低下によって、周りの音が聞こえづらくなるため、学校や社会でのコミュニケーションや活動に支障をきたすことがあります。

これは単に音が聞こえづらいだけでなく、音がある場所や方向を正確に認識できないことがあります。(音源定位)うるさい場所での聞き取りも難しい場合があります。
そのため、片方が聞こえているからといっても、スムーズなコミュニケーションがとれるわけではなく、学校の席や道路を歩く際には、聞こえづらい方向に配慮していく必要があります。

治療の必要性は、原因や程度によって異なります。軽度の難聴であれば、様子をみることや補聴器の使用が有効であることがありますが、中等度や重度の難聴の場合では、手術が必要になることがあります。
また、難聴の原因に応じて、抗生物質やステロイドなどの薬物療法が必要になることがあります。

最善の治療法を選択するためには、専門家の診断と治療が必要です。治療を受けることで、聴力の改善や生活の質の向上が期待できる場合があります。

POINT
  • 片側の難聴(一側性難聴)は、様々な原因がある
  • 反対側の耳で音はよく聞こえていても 、音のなっている場所の把握や雑音下での聞き分けが難しい場合がある
  • 生活の中でも不都合な場面があるため、学校や外出の際には音の聞こえにくい側に配慮する必要がある
野田 昌生

この記事の監修

野田 昌生

  • 自治医科大学 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科 講師
  • 耳鼻科専門医 医学博士