大人とくらべて、こどもは自分で「きこえが悪い」と訴えることが難しい場合も多く、周りの人が些細な違いに気がつくことが、難聴を発見する機会になることもあります。
日々の生活の中で

  • よく耳をさわる
  • 音への反応(ふりむき、驚きなど)が悪い
  • 言葉の発音が悪い
  • 言葉の数が少ない
  • 学校で授業の反応が悪く注意される
  • ざわざわした中で聞き取りが悪い

といった症状から難聴がわかることもあります。また、出生時や幼稚園、学校の検診などで聴力について指摘されることもあります。

軽い程度の難聴や片側だけの難聴では、言語の獲得や生活に大きな支障とならないことも多いため、気が付かないこともあります。日頃の生活での変化に注意したり、定期的な健診、学校・保育園での報告についてもしっかりと見ていく必要があります。

聞こえが悪くなったかどうかを調べる方法として、一般的には、次のような方法が用いられます。

聴力検査

聴力検査は、聴力の程度を測定するための検査です。医師や聴覚士などの専門家によって行われ、一般的には、耳に音を送り、その音が聞こえるかどうか、またはどの程度聞こえるかを測定することで聴力の程度を確認します。

最近では、聴力検査のアプリケーションもありますが、必ずしも正確とは言えないので参考程度に使ってみるのがよいでしょう。

発音の確認

子供が言葉を発音するときに、発音が不明瞭だったり、間違っていたりすることがある場合、聴力の問題がある可能性があります。
とくに難聴の程度が軽い場合はサ行やタ行などのわずかな発音がうまくできなかったりします。

行動の観察

聞こえが悪くなった子供は、周りの音に反応しなかったり、周りの人の言葉を聞き取れなかったりすることがあります。そのため、周りの音や話し声に反応しない、話しかけても聞こえないなどの行動の変化を観察することで、聴力の問題があるかどうかを確認することができます。

聴力に問題がある場合は、早期の発見や治療が重要です。軽い難聴の程度でも、他の原因が隠れていることもあります。

ご両親や周りの方々で気がついたことがあれば、お近くの耳鼻咽喉科専門医に相談し、早期の治療や支援を受けることが望ましいです。

野田 昌生

この記事の監修

野田 昌生

  • 自治医科大学 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科 講師
  • 耳鼻科専門医 医学博士