ミックスボイスとは、高音を地声のように自然に出せる発声法のことです。「どうやって出すの?」「うまく練習できない…」と感じる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、一般の方が正しい出し方や練習法を理解し、喉を傷めずに美しい声を出せるよう、耳鼻科の立場から丁寧にご紹介します。

POINT
  • 出し方のコツは喉の脱力
  • 感覚を掴むには裏声と地声の融合
  • 歌手も練習して身につけている

ミックスボイスは感覚的な要素も多いため、無理のない練習を心がけ、喉を守ることが大切です。

主な症状

主な症状

ミックスボイスを出そうとしてうまくいかない方には、次のような症状が見られます。

これは正しい発声ができておらず、声帯に無理な力がかかっているサインです。正しい感覚をつかむためにも早めの対処が必要です。

声が出しにくい原因・なりやすい方

ミックスボイスが出しにくい背景には、喉の筋肉バランスや発声の使い方の誤りがあります。力みすぎると声帯が擦れ、声帯ポリープや結節などの病変が生じることもあります。
特に次のような方は注意が必要です。

性別や歌うジャンルによっても声帯の使い方が異なり、ミックスボイスに必要な感覚も違ってきます。

耳鼻科での検査・診断方法

喉の違和感や発声困難がある場合、耳鼻咽喉科での診察を受けましょう。検査は「喉頭ファイバースコピー」で行い、数分で声帯の状態を確認できます。
この検査では、声帯結節、ポリープ、慢性声帯炎などの有無を直接確認でき、原因を特定する手がかりになります。痛みも少なく、外来で手軽に受けられるため、発声に不安がある方におすすめです。

治療方法と回復までの目安

治療方法と回復までの目安

声帯に病変がある場合は、まず声の安静が基本です。軽症であれば、発声を控えて1〜2週間ほどで回復します。状態によっては薬物療法(吸入や内服)が併用されます。
一方、病気ではなく発声法に問題がある場合、ボイストレーナーによる指導や音声リハビリが効果的です。喉の使い方を正しくすることで、1か月以内に改善がみられるケースが多くあります。

似た症状の病気

声が出しにくい、枯れる、痛みを感じるといった症状は、声帯ポリープ、声帯結節、慢性声帯炎などでも見られます。いずれも早期発見が重要ですので、気になる症状があれば耳鼻科を受診しましょう。

日ごろの予防とケア

  • 水分をこまめにとる(目安:1日1.5L以上)
  • 加湿器で喉を乾燥から守る
  • 発声前にはリップロールなどのウォームアップを行う
  • 1時間に1回、10分程度の喉の休憩を入れる
  • 無理な発声は避け、出し方が不安な場合は専門家に相談

さいごに

ミックスボイスは誰にでも習得可能ですが、自己流で無理をすると喉を痛めてしまうことがあります。
発声の悩みや違和感を感じたら、お早めに耳鼻咽喉科へご相談ください。地域の皆さまが安心して声を出せるよう、私たちがお手伝いします。

野田 昌生

この記事の監修

野田 昌生(のだ まさお)

  • 自治医科大学 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科 講師
  • 耳鼻科専門医 医学博士