先天性耳瘻孔とは、胎児期に耳の発生過程で残った構造物が、耳に穴として残ったものです。

耳瘻孔は、耳介の前や上の方にできることが多いですが、場合によっては下側にもできることがあります。
外側から見ると穴のようにみえるのですが、そこから管のようになっており、場合によっては枝分かれしたような構造になることがあります。

通常、何もなく経過しますが、穴があることでバイキンなどの汚れがついてしまい、感染を起こしてしまったり、その周囲に膿が溜まってしまうことがあります。この耳瘻孔感染では、膿や分泌物が穴から出てくるのですが、抗菌薬を使用して感染を治療する場合があります。

膿が溜まってしまった場合は皮膚の一部を切って、膿を出してあげることも必要になります。ひどい感染があった場合や、感染を繰り返してしまう場合には、管状の構造物を取り除く、耳瘻管摘出術も適応となります。

気になったことがあれば、まずは耳鼻科専門医にご相談してください。

野田 昌生

この記事の監修

野田 昌生

  • 自治医科大学 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科 講師
  • 耳鼻科専門医 医学博士