いびきや睡眠時無呼吸は、睡眠時の呼吸の停止や低下を引き起こすもので、原因としては、全身のもの、局所によるものに分けられます。全身のものとしては、

  • 肥満
  • 内分泌疾患
  • 神経、筋疾患

が原因になることがあります。また、局所によるものとしては、

  • 扁桃腺などの喉にある組織が大きい
  • 顎が小さい
  • 鼻がせまい
  • 鼻の突き当たりがせまい

など、息の通り道が狭くなるような様々な原因が、いびきを引き起こします。

小児の場合、とくに扁桃腺や鼻の突き当たりにあるアデノイドという組織が大きいことで、息の通り道が狭くなり、いびきや睡眠時無呼吸を引き起こすことが多いです。寝ている際の呼吸が抑えられてしまうと、その影響として以下のようなものが考えられます。

  • 睡眠の質が低下し、日中の眠気や集中力の低下が生じる
  • 体内の酸素濃度の低下が、成長や発達に影響を与える
  • 十分な睡眠をえられないことによる成長ホルモンの低下や身体発達の遅れ、心血管系への負担をおこす

つまり、子供ではとくに、学習や体の発達に大きく影響を与えるため、程度がひどい場合には早期に介入を行う必要があります。

いびきや睡眠時無呼吸が疑われる場合は、耳鼻咽喉科専門医や睡眠医療センターなどの専門医に相談し、診察や検査を受けることをおすすめします。

POINT
  • いびきや睡眠時無呼吸の原因は全身的、局所的なものに分けられ、こどもでは扁桃腺やアデノイドが大きく、息の通り道が狭くなることが原因となる場合が多い
  • こどもでは睡眠の質低下や成長、発達に大きく関わるため、程度がひどい場合には、早期の対処が必要となる
野田 昌生

この記事の監修

野田 昌生

  • 自治医科大学 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科 講師
  • 耳鼻科専門医 医学博士