概要
声帯結節は、声を作る”声帯”に小さなこぶのようなかたまりができるもので、震動が不完全になることによって声がかれたり、出にくくなるなど、声の異常を生じる疾患です。
主に声を頻繁に使用する職業の人や声を多用する趣味を持つ人に多く見られます。小児にも発生することがあり、声を酷使したり、強く出しすぎたりすることが原因となります。
たとえば、学校で運動をしたり、遊んだりするときに大きな声を、力一杯出すことで声帯の表面に小さな隆起(結節)ができることで起こります。
声帯結節は、通常は良性の疾患であり、がん化することはありませんが、声の質に影響を与えるため、治療が必要となる場合があります。
必要な検査とその所見について
声帯結節の診断には、主に喉頭ファイバー検査が使用されます。
喉頭ファイバー検査では、喉頭の内部を観察し、声帯結節の有無やその大きさを確認することができます。また、声帯の振動を確認するために、声帯振動検査や音響分析なども行われます。
鑑別疾患について
声帯結節と類似した症状を示す疾患として、声帯ポリープやポリープ様声帯、癌などがあります。これらとの鑑別が必要です。
治療方法について
声帯結節の治療方法には、保存加療と手術療法があります。
保存加療では、声を休めたり、発声法の指導を行ったりして、結節が小さくなるかどうか、経過をみていきます。
手術療法では、保存加療が効果的でない場合に選択されます。顕微鏡下に手術を行うマイクロラリンゴサージェリーが一般的で、喉頭鏡を用いて手術を行うため、手術後の経過が比較的良好です。
治療を考える際の注意点
声帯結節の治療にあたっては、個々の症状や病状、病歴などを踏まえて、医師と慎重に相談しましょう。手術療法は、手術後の合併症のリスクがあるため、手術が必要な場合でも、その必要性を再度確認しましょう。
生活への影響と注意点
声帯結節の治療期間中は、声を休めたり、発声法の指導を行ったりする必要があります。また、治療期間中には、乾燥や無理な発声は避けて、のどに負担をかけないように注意が必要です。
声帯結節を治癒することで、声の質が改善され、普通の生活に戻れることを目標とします。
- 声帯結節は、声を作る”声帯”に小さなこぶのようなかたまりができるもの
- 大きな声を力一杯出すなど、声の酷使や乱用が原因となり、声の異常をひきおこす
- 保存加療で改善がない場合やサイズが大きい場合などには手術加療を行う